鳴滝工業は、鉄鋼事業部の大型製缶・溶接技術と歯車事業部の精密歯車製造技術を組み合わせることで、水力発電・風力発電向け大型増速機および水車ランナーの製作に対応しています。
発電所の心臓部である増速機ハウジング・シャフト・ランナから、取付フレーム・周辺鋼構造物まで、ワンストップで対応できる体制が鳴滝工業最大の強みです。設計専門の協力会社とも連携しており、仕様の検討段階からご相談ください。

増速機とは?発電設備における役割
増速機(ぞうそくき)とは、入力側の低い回転数を出力側で高い回転数に変換するための歯車装置(ギアボックス)です。発電機を効率的に回すためには、一定以上の回転数が必要なため、水車・風車の比較的低い回転数を発電機に適した回転数まで増幅させる役割を担っています。
水力発電における増速機
水力発電では、水車ランナーの回転数(一般に数十〜数百rpm)を、発電機に必要な回転数(600〜1,500rpm程度)まで増速するために増速機が使われます。特に**小水力発電(数kW〜1MW級)**では、コンパクトで高効率な増速機が求められ、設備全体の経済性を左右します。
風力発電における増速機
風力発電では、ブレード(風車の羽根)の回転数が通常10〜30rpm程度の低速であるため、発電機が必要とする1,500〜2,000rpmまで増速するためにギアボックス(増速機)が使われます。大型風車のナセル内部に搭載され、大きな負荷変動・衝撃トルクに耐える高精度・高耐久設計が求められます。

水車ランナーとは?
水車ランナーは、水力発電水車の中核部品で、水の運動エネルギー・圧力エネルギーを回転エネルギーに変換する羽根車です。フランシス水車・ペルトン水車・カプラン水車など水車形式によってランナの形状は大きく異なりますが、いずれも高強度・高精度の鋼製構造体として製作されます。
フランシス水車ランナー
渦巻き形状のブレード(羽根)をランナバンドとランナクラウンで挟んだ閉翼構造です。複雑な曲面形状の製作には高度な製缶技術と精密加工が必要です。
ペルトン水車バケット(カップ)
おわん型の水受け部品(バケット)をランナ円板に取り付けた構造です。高速噴流を受けるため、耐摩耗性・溶接品質が特に重要です。
カプラン水車ランナー(プロペラ型)
プロペラ状の翼をランナハブに取り付けた構造で、小水力発電向けに多く採用されます。翼の製缶加工・溶接品質が効率に直結します。
鳴滝工業が対応できる製品・部品
| 製品・部品 | 担当事業部 | 対応 |
|---|---|---|
| 増速機ハウジング(鋼製筐体) | 鉄鋼事業部 | ◎ |
| 増速機フレーム・ベースプレート | 鉄鋼事業部 | ◎ |
| 増速機用シャフト・軸 | 歯車事業部 | ○ |
| 増速機用歯車(ギア) | 歯車事業部 | ○ |
| 水車ランナー(鋼製部分) | 鉄鋼事業部 | ○ |
| 水車シャフト | 歯車事業部 | ○ |
| 水車ケーシング・スクロールケーシング | 鉄鋼事業部 | ◎ |
| 発電設備架台 | 鉄鋼事業部 | ◎ |
| ペンストック(導水管) | 鉄鋼事業部 | ◎ |
鳴滝工業の製作体制:鉄鋼×歯車の連携
鉄鋼事業部:大型製缶・溶接技術
船体ブロック製造で培った6mm以上の厚板製缶・溶接技術が、増速機ハウジング・水車ケーシング・発電設備架台の製作を担います。大型・厚板・高精度溶接が求められる構造物製作を得意としています。
歯車事業部:精密歯車・シャフト製造
歯車事業部では精密歯車・シャフトの製造を行っており、増速機の心臓部である歯車・軸の製作に対応します。鉄鋼事業部製のハウジングと組み合わせることで、増速機ユニットとしての対応が可能です。
設計協力会社との連携
設計・解析は設計専門の協力会社と連携することで、仕様検討から設計・製作まで一体的にサポートする体制を整えています。
対応できる発電設備の規模
| 発電設備 | 対応範囲 | 備考 |
|---|---|---|
| 小水力発電(〜1MW級) | ◎ | 農業用水路・上下水道向け |
| 中規模水力発電(〜数MW級) | ○ | 仕様によりご相談 |
| 陸上風力発電向け増速機 | ○ | ハウジング・フレーム中心 |
| 洋上風力発電向け増速機 | △ | 大型品は仕様によりご相談 |
鳴滝工業が対応できる製作仕様・スペック
対応材質
- 鉄(SS400・SM490・SCM材など)
- ステンレス鋼(SUS304・SUS316)
- 鍛鋼・特殊鋼(歯車・シャフト部分:歯車事業部対応)
対応板厚:6mm以上の厚板製缶に特化(鉄鋼事業部)
増速機ハウジング・水車ケーシングのような大型鋼製筐体は、6mm以上の厚板製缶・溶接で対応します。
製造工程と対応範囲
| 工程 | 担当 | 対応 |
|---|---|---|
| 増速機ハウジング製缶溶接 | 鉄鋼事業部 | ○ |
| 歯車・ピニオン製造 | 歯車事業部 | ○ |
| シャフト・軸製造 | 歯車事業部 | ○ |
| 水車ランナー製缶 | 鉄鋼事業部 | ○ |
| 発電設備架台製缶溶接 | 鉄鋼事業部 | ○ |
| ユニット組立・試運転 | 協力会社と連携 | ご相談 |
| 設計・解析 | 協力会社と連携 | ご相談 |
| 現地据付工事 | × | 対応範囲外 |
鳴滝工業が選ばれる3つの理由


① 鉄鋼事業部×歯車事業部の一体対応
鳴滝工業は鉄鋼事業部(大型製缶・溶接)と歯車事業部(精密歯車・シャフト)の両方を持つ企業です。増速機・水車ランナーのように「鋼製構造体+精密機械部品」が必要な製品に対して、一社でまとめて対応できる体制は大きな強みです。
② 小水力発電の普及需要に対応した柔軟な製作体制
農業用水路・上下水道・工場排水を活用した小水力発電の普及が進む中、小ロット・特注仕様・1点ものの増速機・水車ランナーへの需要が高まっています。量産ではなく特注対応を得意とする鳴滝工業が最も力を発揮できる市場です。
③ 離島立地×海上輸送で西日本広域へ対応
大型増速機ユニット・水車構造物も、海上輸送を活用して西日本エリア(大分県まで実績あり)への広域納品が可能です。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 増速機の設計からお願いできますか?
A. 設計は弊社直接対応範囲外ですが、設計専門の協力会社をご紹介することが可能です。仕様検討の段階からご相談ください。
Q. 風力発電用増速機のギアボックスにも対応できますか?
A. ハウジング(鋼製筐体)・フレームは鉄鋼事業部で、内部歯車・シャフトは歯車事業部で対応します。大型風力発電向けの大型品については仕様によりご相談ください。
Q. 既設の増速機の修理・部品交換にも対応できますか?
A. ハウジングの補修溶接・部品製作については対応可能です。詳細はご相談ください。
Q. 水車ランナーの精密加工(仕上げ加工)も対応できますか?
A. 製缶溶接後の精密仕上げ加工は、協力会社との連携で対応可能です。別途ご相談ください。
大型増速機・水車ランナーの製作に関するご相談はこちら
- 対応品目:増速機ハウジング・歯車・シャフト・水車ランナー・水車ケーシング・発電設備架台 他
- 対応規模:小水力発電〜中規模水力発電、陸上風力発電
- 対応材質:鉄(SS400・SM490・SCM材)、ステンレス
- 納品エリア:西日本広域(海上輸送対応)
